川崎病という病気を知っていますか?
全身の血管の炎症が起こる病気で、発熱・目の充血・手足が赤く腫れるなどの症状があります。入院治療が必要で早期に治療をしなければ命にかかわる後遺症に繋がることもあります。
聞いたことがない方も多いと思いますが、年間1万5000人程の子供がかかっています。私の娘もかかりました。
私は川崎病を知らなくて、治療を受けるのが遅くなってしまいました。今は退院して元気に過ごしていますが、万一後遺症が残っていたらと考えると本当に怖いです・・・早期に適切な治療を受けることが何よりも重要なので、一番近くで見ている親が川崎病について知ることが大事だと本当に思います。
川崎病とはどういう病気なのか、治療方法や経過について勉強していきましょう。
私は医療従事者ではありません。
あくまでも私の娘が発症した際に病院から受けた説明や自分が調べた情報をもとに掲載しています。
気になる症状があれば自己判断せず受診するようにしてくださいね。
目次
川崎病とはどういう病気なのか?
川崎富作博士が発見したので川崎病と呼ばれています。原因は不明ですが、全身の血管に炎症がおこる病気です。
強い炎症反応により冠動脈という心臓の血管の一部がコブのように膨らむ冠動脈瘤ができることがあります。その他にも、様々な臓器に合併症がみられますがほとんどは一時的なもので、治療をすれば重症になることは稀です。
川崎病の代表的な症状
原因が特定されていないので、次の6つの症状のうち5つ以上に当てはまれば川崎病と診断されます。
川崎病の特徴的な症状
●発熱が5日以上続く
●両目の充血
●くちびるや舌が赤くなる
●いろいろな形の発疹が全身に出る
●手足が赤く腫れる
●首のリンパ節が腫れる
うちの娘は最終的には全て当てはまりました。
3つ以下の症状でも不全型川崎病と診断されるケースもあります。素人判断は危険なので、あてはまる場合だけでなく不安があれば受診してくださいね。
川崎病の経過
急性期(発症から約10日まで)
多くの主要症状が出てきます。この時期に適切な治療を受けることが重要です。
回復期(発症10日目~1か月後)
熱が下がり、ほかの症状も治まってきます。この途中で手足の皮がめくれてくるのも川崎病の特徴です。
遠隔期(発症から1か月以降)
合併症がなければ日常生活を送りながら定期的に診察を受けます。
川崎病の治療方法
10日前後の入院での治療となります。一般的にはアスピリン療法と免疫グロブリン療法が行われます。 うちの娘もこの2つの治療を受けました。
アスピリン療法
アスピリンという粉薬を内服します。血管の炎症を抑える効果と血液を固まりにくくして血栓を予防する効果があります。症状が軽い場合はこのアスピリン療法のみで治療することもあります。
うちの娘の場合は入院1日目から内服して退院後も約2か月内服しました。その間、血が止まりにくくなるので怪我などで出血した時は長めの止血が必要です。一度鼻血が出た時に本当に止まらなくて焦りました。適切に止血すればちゃんと止まります。
免疫グロブリン療法
免疫グロブリン製剤を点滴して全身の炎症を抑え、冠動脈瘤ができるのを防ぎます。アスピリン単独での治療よりも冠動脈瘤ができる頻度が下がるため川崎病と診断された人の約90%は免疫グロブリン療法を受けています。
しかし、血液製剤(輸血から必要な成分を抽出して作られているもの)のため発疹・血圧低下・ショック症状などの副作用が出る場合があります。娘が治療を受けた際は、点滴開始後15分間は看護師さんがつきっきりで診てくれていました。
また、免疫グロブリン製剤には様々な抗体が含まれているため、治療後最大6か月は予防接種を受けても免疫ができず意味がなくなってしまいます。予防接種を受けられない期間はワクチンの種類により異なります。
退院後
冠動脈に後遺症がなければ、運動制限等もなく日常生活が送れます。しかし、発症後1~3ヶ月程度のアスピリン内服と定期的な診察が必要です。
うちの娘の場合は発症後1か月・2か月・3ヶ月・半年・1年、その後も1年ごとに診察を受ける予定です。診察では心臓の専門医による心エコー検査と問診を受けています。
冠動脈瘤がある場合は、その大きさによって治療と生活の管理がなされます。
まとめ
娘が2歳の時に川崎病になりました。
体調不良となってから、かかりつけ医の診察は4度受けたのですが、その中でも川崎病という診断は出ず、適切な治療を受けるのが遅くなってしまいました。
時間はかかったけれど適切な治療を受けることができ、今は元気に過ごしています。でも、もっと早く気づければ、早く治療して早く元気になれたのに・・・と知らなかったことを後悔しています。
私たちみたいに後悔しないように、川崎病とはどういう病気なのか、どういう症状でどういう治療になるのかぜひ覚えておいてくださいね!